舞 0 踊るという本質を求めて!
立ち上がる満足感!
今を生きていると感じれる時の得難い高揚感!
その大いなる宇宙観のなかで、大いなる自然界の現象と繋がっていると感じれるとき、自然界の参加者全員が宇宙の同じ中心を感じ取り、そこに立たされている。
チッポケな自分意志で、動き、視線をそらすことが、許されない。
きっと怖いと思えるほどのオーロラの下で天を見上げているとき、僕らは、本当の【立つ】を実感しているのだと思う。
けれどもそんな立つを僕らは何時から失ったのだろうか?
何時から日常の中に、僕らの意志より大きな意志に身を任せるという【立つ】を設定しなくなったのであろうか。
中心にいるという感覚は、とてつもない【畏れ】の中心に、立たされてしまっていると感じる時。
その中心に立たされ【舞う】。
それを追い求めて追い求めてここまできました。
それが自分にとっての真実の【舞い】の姿です。
まだ入り口に立ったにすぎないのですが、確実に立っているのです。
ここでの入り口とは、中心そのものなので扉があるのとは大きく異なります。
今のところ出口はないと感じています。
ヒタスラ、中心に近くなって近くなって、【無】になってしまう。
そこでは【軸】など探そうとする意志も存在しないはず。
メッセージなど陳腐な意志もきっと何処にも見当たらないはず。
日常の僕らの愚かな意志が、もっと大きな意志に呑み込まれてしまった時、言葉を失いその【畏れ】の中心にいるにもかかわらず、幸せ感という最大の矛盾を生み出す。
この方向性がない世界にしかないものが【愛】だと感じる。
伊豆に住んでいたとき、うちの犬が鶏を追いかけ、追い詰めてしまったときがあった。
そのメスの鶏は、目をつぶった。
彼女は、間違いなく命の中心に身を置いたのだと思う。
僕も躍りに身を置いてきたものとして、【求める舞い】は、この【消滅する命の中心で舞う】この一点である。
故「星野道夫」さんが知人「ボブ.ユール」について書いた一節を思い出しました。
道夫「彼は、エスキモー文化から最も多くのものを学びとった白人の一人でしょう。西洋文明が押し寄せ、めまぐるしい早さで古いエスキモー文化が失われつつあるアラスカで、ボブ.ユールは今なお、かつてのエスキモーに近い生活をしている人です。エスキモーの生活が急速に白人文化に移行するなかで、一人の白人がかたくなにエスキモーの文化を守っている。(※このとき彼は58歳)それは決して何かに抵抗しているというものではなく、ボブ.ユールにとってそれが一番自然な生活になってしまったのです」
ボブ.ユール「何もなかった時代、人間は生活のなかで【興奮、楽しみ】を自ら求める必要はなかったんじゃないか。それは日々の生活のなかで向こうから日常茶飯事に飛び込んできた。日常生活で求めていたものは、それとは逆の休息だったんだ。けれども今の時代、全ての事が決まりきっていて、明日のことも、その先のこともほとんどがわかりきってしまっている。だから生活の中に【興奮、楽しみ】を求めるのだろうか.....。外界との供給が断たれたとき、それでも生きていくことができるというのは、自分にとって、とても大切な事なんだ。カリフォルニアにいた頃、生活はすべて他の者から与えられたものだった。食べること、着ること......。そんな生活はおかしいと思っていた。人生にはもっと意味があるはずだと思っていたんだ。」
僕には、もう百回を越えるほど読み返している文章です。
此を読みなおすたびに、今の自分が立っている【場】がヒシヒシとわかります。
僕も五十年かけて、自分にとって一番自然な生活を手にしたからなのです。
きっと三歳の自分は知っていたはず。
自然界からドンドン離れていく生き方と、ドンドン自然界という【掟】に魅せられていく生き方。
どちらも現実なのです。
が自分にとってどちらが現実なのでしょうか?
僕にとっては、後者であり、いつか帰る自然界の中心という【死の世界】です。
その側にできるだけ多くの時間、身をおいていることこそが自分の立つ位置であり、宇宙の中心であり、自分にとっての軸なのです。
そうすると自分にとってバーチャルな都市の生活も、時間限定では有り得ます。
ウルトラマンのように、自分の「現実の場=死の淵」に帰る限界の時に、点滅してくれるから。
そして【死の淵】の生活には、生活すべてをアートにしてしまう魔法が何時もその辺じゅうに、転がっています。
鬼ごっこのように見つけてあげないといけない【大事なもの】。
風化したものにしか、魔法を忘れた大人には見えないのですが。
この魔法がそこらいらじゅうに転がっている、この【死の淵】の生活がなくては僕は、生きれません。
もう酸素のようなものなのです。
ここから生まれる【舞】が、いよいよ生まれ出始める予感がしています。
きっと【死の淵の生活の中にある命の光】を一番感じる冬を越えたときに。
Android携帯からの投稿