あらえびすブログ

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『あなたはその杉をよく見てみたことはありますか?』 [さくら]

 

絶望したい。

世界に。そして、自分自身に。

感じて、感じて、感じて、

死にたいと絶望した先の “ナニカ” を掴みたい。

 

✳︎

 

あらえびすの出張で、

熊本⇨高知⇨熊野⇨四日市⇨名古屋⇨山形を移動しました。
本島の高速道路を端から端まで。

 

日本中の山には人間によって植えられた杉が、

枝打ちも間伐もされず、放られています。

 

『あなたはその杉をよく見てみたことはありますか?』

 

ほそいほそい杉。

太くなることもできず、
ただ太陽を求めて背を伸ばす。

まるで、栄養失調で痩せこけているかのように。

 

戦後、社会が安定し人口が増え、
その住宅を建てるための国策として、
杉などの早く育つ木の植林が行われました。

しかしその後、海外の安い材木が輸入されるようになり、
杉は売れなくなりました。

消費されなくなった杉は、今もそのまま放置され続けています。

(伐採には費用がかかるため、簡単に行うことはできないのが現状です。)

 

杉は本来 平地で育つ木です。

そのため、広く深く根を張る広葉樹とちがい、
根を浅く横にしか張ることしかできません。

今回の移動中、何ヶ所も土砂崩れを見ました。
土が重みに耐えられず滑り落ちるのです。

 

土砂崩れは “人災” です。

わたしたち人間が引き起こしています。

ほそいほそい杉。

わたしたちは、彼らのいのちをいのちとも思わず、

生きながらにして殺しているのではないでしょうか。

 

子どもがぶたれて怒らない親はいないのに、
地球を傷つけ、搾取しているのに
怒りもしなければ、気づきもしない。

 

そんなわたしたちが、自分自身を大切にできているはずもなく、
わたしたちもまた、自らを生きながらにして
殺しているのではないでしょうか。

 

 

ほそい杉を見て、涙が溢れました。

申し訳なくて、悔しくて、悲しくて。

そしてこの現状を変えたいと強く思いました。

mother earth に甘えるではなく、

child earth に寄り添う時代を。

 

知恵を、工夫を、凝らすしかない。

そしてそのために、
世界中の惨事を見つめたい。

戦争、貧困、動物実験、環境破壊、総ての負を背負いたい。

その絶望の底でしか、希望の光は見えないから。

 

 

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2016年12月9日にFacebookにて投稿した記事です。

今こうしてわたしたちが息をしている間にも、

杉たちは必死に地面に根を張っています。

 

わたしたちが、人として、やらなければいけないことは

無数にあるのです。

 

staffさくら